#21 歳晩に寄せて――激動と安寧の一年
#21 歳晩に寄せて――激動と安寧の一年
月日の経つのは早いもので、またたく間に年の瀬を迎えることとなった。カレンダーの最後の一枚をめくりながら、この一年という時の重みを噛みしめている。
振り返れば、今年もまた多事多難な一年であったと言えるかもしれない。しかし、何よりも先立つ感謝は、利用者諸氏、そして保護者の皆様が、大きな事故もなく、健康かつ安全にこの一年を過ごされたことにある。
当たり前の日常が続くことこそが、実は最も困難であり、奇跡に近い所業である。我々職員がどれほど腐心しようとも、皆様の協力と信頼なくして、この平穏な日々は成り立たない。そのことへの深甚なる感謝の念を、まずはここに記しておきたい。
一方で、本年は「守り」のみならず「攻め」の年でもあった。
養護学校の生徒を対象とした利用体験会の実施、地域交流を目的にした花育苗の挑戦、そして駄菓子販売の開始。これらは単なる新しいイベントの羅列ではない。あじさい園が、地域社会といかに関わり、どのように開かれた場所であり続けるかという、存在意義を問う試金石なのである。
泥にまみれて苗を育てる手、駄菓子を前に目を輝かせる子供たちの姿。そこには、制度や理屈を超えた、人間本来の「生きる喜び」の原風景があったと言わしめても過言ではあるまい。これらの新しい芽は、来たるべき春に向け、着実に根を張りつつある。

また、経営の改善に向けた取り組みも、避けては通れぬ喫緊の課題として全力を挙げて向き合ってきた。理想を語るには、それを支える強固な土台が必要不可欠だからである。時に痛みを伴う改革もあったかもしれないが、すべては永続的な支援を実現するための布石に他ならない。
来る年もまた、平坦な道のりではないかもしれない。しかし、我々は歩みを止めるわけにはいかないのである。「自らを欺かず、吟味し、種を撒く」。そうした実直な営みの先にこそ、真の果実が実ると信じているからだ。
皆様におかれては、良き年を迎えられることを心より祈念するものである。
令和7年12月27日
