就労継続支援B型事業所 社会福祉法人 もるどう会 あじさい園

#6 FUJI

#6 FUJI

おひさしぶりなオガワです。

早速ですが、この美しい貼り絵をご覧ください!

富士山




あじさい園の廊下には、利用者さんたちが心を込めて製作した貼り絵が展示されています。この貼り絵は、絵画に詳しいボランティアと利用者さんが協力して創り上げたもので、その中でも特に富士山の貼り絵が私の心を捉えて放さないのです。

新幹線の車窓から見える富士山と比べて、形や色の使い方には微妙な違いがあります。それは利用者の富士山への独自の視点と感情が貼り絵に込められているからだと思います。とても興味深い作品だと感じています。

貼り絵制作の過程で、支援者たちがよく口にするのが山下清の名前です。彼らの目指すのは、未来の山下清のような存在。それを聞いて、私は山下清について調べてみました。

山下清は自閉症スペクトラム障害、特にアスペルガー症候群を持っていたと推測されています。アスペルガー症候群は、社会性やコミュニケーション能力に障害を持つ一方で、特定の分野に対する深い関心や専門性を持つことが特徴です。彼の日記や作品を通じて、彼が知的障害ではなく、自閉症スペクトラム障害を持っていた可能性が示唆されています。
山下清の作品は、彼の成長と発展を示しています。彼の作品は、時間とともに大きく変化し、初めは昆虫を描き、後には人物画に移行しました。この移行は彼の社会への適応を示しているとも考えられます。
さらに、山下清はサヴァン症候群を持っていたと考えられています。サヴァン症候群とは、一部の知能や能力が突出して発達する一方で、他の部分は発達が遅れるという特性を持つ状態です。特に「直観像の記憶」が突出しており、山下清もこの能力を通じて作品を創造していたと考えられます。
彼の放浪中の行動は、彼の作品に大きな影響を与えました。彼は旅先で絵を描くことはほとんどなく、実家や学園に戻ってから作品制作を行っていました。彼の作品は記憶に基づいて描かれ、彼が旅先で見た風景や出来事を詳細に再現しています。これは彼が「直観像の記憶」と呼ばれる能力を持っていたことを示しています。これはサヴァン症候群の特徴の一つで、彼が旅先で見た風景や出来事を詳細に記憶し、それを後で作品に反映させる能力を持っていたことを示しています。

山下清は作品の制作時間に非常に厳しく、他人の存在にもかかわらず、忍耐強く作業を続けていました。その高い集中力は彼の作品を通じて明らかです。
あじさい園の利用者のみなさんは、下請け作業である部品の製造や梱包に没頭します。その姿勢は山下清が作品に向かっていた姿と重なります。すばらしい貼り絵ができたのもただの偶然ではないかもしれない・・・そんなことを思いつつ、廊下に展示された貼り絵作品を眺めて楽しむ毎日です。


東京学芸大学の総合教育科学のジャーナル「山下清と自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)に関する検討」(著者 山本由香氏、石川栄樹氏 高橋聡氏)を参考にさせていただきました。

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コメント

  • うんちく話

    とあるクイズ番組で出された問題の答えで、漫画の神様である「手塚治虫」先生と「山下 清」画伯との貴重なツーショット写真が、令和の現代でも存在している事を、僕は初めて知って驚きましたー‼️



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