就労継続支援B型事業所 社会福祉法人 もるどう会 あじさい園

#8 触れる心、聴く魂:ろう者のエッセイと映画の共鳴

#8 触れる心、聴く魂:ろう者のエッセイと映画の共鳴

今回もオガワがおおくりします('◇')ゞ

毎月、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構様が発行される「働く広場」という機関紙があります。この機関紙は、あらゆる立場の人たちが就労を通して豊かな人生を実現しようとする取り組みを紹介しています。私も一応?職業指導員という立場ですので、この機関紙を興味深く読ませていただいています。その機関紙に掲載されていた忍足亜希子さんの「ろう者である想い」というエッセイをご紹介させていただきたいと思います。

このエッセイの中に、昔のろう者は、ろう学校で手話が禁止だったそうです。手話が言語として認められたのは、2013年に鳥取県で「手話言語条例」制定されたのが初めてだとか。10年前にようやく手話が「言語」になったと聞き、びっくりしました。
8月の夏期休業中、イタリアの神父さんから映画「奇跡のひと、マリーとマルグリット」のDVDを勧められ視聴しました。この映画については、こちら からWebサイトをご覧になってください。あらすじを簡単にお伝えすると、盲ろう者のマリーが、教会に預けられ、余命少ない修道女であるマルグリットが勉強を教えます。激しく抵抗するマリーと葛藤するマルグリットが、手話や指点字を通してお互いを理解し合うというお話です。1900年のフランスでは、既に手話を言語として認知され、様々な教育が施されていたようです。日本の手話文化がいかに遅れていることがわかります。

盲ろう者の方々にどのようにして、手話をはじめ日常生活の知識を伝えるのか?調べてみると、とても興味深いものだったのでご紹介します。

(マグリット修道女の指導方法:「ラルネの方法」
マルグリット修道女が亡くなる数か月前に完成させたこの方法は、盲ろう(目も耳も不自由な人)の教育に使われます。この方法にはいくつかのステップがあります。
①サインの意味を教える: 子供に手触りで感じる物と、それを表す身振りサインとの関係を理解させます。その後、子供が触れる主な物や人、場所の名前を教えます。
②手話のアルファベットを教える: 手の指で作る24の形(手話のアルファベット)を教えます。その後、物を身振りで表したり、指でその物の名前の文字を作ったりする方法を教えます。これで、子供は文字で言葉を表現できるようになります。
③話すことを教える: それぞれの手話のアルファベットに対応する音を、子供の手に感じさせます。舌や歯、唇の位置、胸や首の振動、鼻の共鳴などを感じ取らせて、同じ「音」を出せるようにします。
④文字との対応関係を教える: 手話の文字、話される文字、そして点字などの文字との関係を教えます。黒板に指で文字を書く動きを教えて、自分で書けるようにします。
⑤点字で読み書き: 手話のアルファベットと点字の文字との対応を教えます。これで、読み書きがさらにスムーズに。
⑥他の文字との対応: 最後に、手話のアルファベットと、タイプ印刷用の文字との対応を教えます。こんな感じで、ラルネの方法は段階を踏んで、盲ろうの子供たちが言葉を理解し、使えるようになる訓練をします。)

 
マグリットさんはこの「ラルネの方法」を使って、何年も根気強く、盲ろう者に様々なこと伝えていたとか。
何年も根気強く人と相対することは、本当に大変なことです。忍足亜希子さんのエッセイでは、「伝える」「伝え合う」ことの大切さを述べておられました。
私達が何気ない会話をしていますが、障害と共に生きる人たちにとって、「伝える」「伝え合う」ということが如何にたいへんなことか・・・エッセイや映画を通して知ることができました。

あじさい園では市内外の施設、作業所にお仕事を外注していますが、その中のひとつも聴覚障害の方を中心に支援しておられる「びわこ みみの里」様にもお仕事をお助けいただいています。「ありがとう」ぐらいは手話でしてみたいものです。。。また時間ができれば、追々手話を勉強してみようと思います。

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